「戦訓百選~基本的消防戦術」ダイジェスト版消火活動 現場の常識
『基本的消防戦術』(下掲)のまえがきには「本書で取り上げた原則的な戦術は、共の知識あるいは現場の常識として全隊員があらかじめ会得しておくことが望ましい形であって、そうすればたった一言の下命でも、受命者は直ちに内容を正確に理解することが可能になります…
受命者は何をどうすればいいのか瞬時にして了解できることになりましょう」と説かれ、隊長・隊員の「あうんの呼吸」をもって消火活動に対処することを願っています。
そこで、同書を購入されていない職員各位のために特に若い隊員の皆さんのために、ダイジェスト版として発行したのが本書『現場の常識』です。
まずページを減らし、価格を下げ、ヨコ組みとし、イラストを入れました。主文の解説はfileとして要点を抜粋、事例を多用するなど、本書は購入しやすく、分かりやすくをモットーに作成しました。
本書は『基本的消防戦術』(下掲)の文章そのままを抜粋し縮刷したものですので、同書をお持ちの方はご留意ください。ただし、本書は「要点摘出版」としてご活用できます。
最先端におけるあなた自身の、心と行動。あうんの呼吸。
編集 | 田中聡弼(元東京消防庁:大隊長) |
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原本著者 | 冨樫金三郎(元東京消防庁装備部長、元消防大学校客員教授) |
仕様 | A5判160頁 |
価格 | 1,600円 |
在庫 | あり |
組見本
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目次
第1編 建築物火災共通編
第1章 出撃隊の任務
- 1 即戦態勢をとる。
- 2 最先到着隊の着手。
- 3 現着時の状況確認。
- 4 先着隊の配慮。
- 5 後着隊の任務。
第2章 情報について
- 6 情報検索の心得。
- 7 情報に変質を防止する。
- 8 駆付け通報者には案内させる。
- 9 初動時の3大危険情報を収集する。
- 10 各隊から報告をとる。
- 11 報に必要な情報源を確保する。
- 12 情報分析の方法。
- 13 複数の情報が一致するとき。
- 14 人に関する情報は重要視する。
- 15 共同住宅等の情報は過信しない。
- 16 風営建物等の情報は混乱する。
第3章 開口部の設定と内部注水
- 17 注水態勢をとってから開口部を作る。
- 18 他隊への行動予告をする。
- 19 まず直下の安全を確認ずる。
- 20 開口部の正面は回避する。
- 21 状況の変化を確認してから進入する。
第4章 救助
- 22 救助最優先は消防活動の鉄則である。
- 23 開窓又は点灯してある部屋には要救助者がいる。
- 24 中性帯があるとき。
- 25 救助実施中であることを通報する。
- 26 緊急を要するものから救助する。
- 27 救護注水を用意する。
- 28 生存を前提とする。
第5章 安全管理
- 29 現場は常に危険との対決。
- 30 退路を確認する。
- 31 掌握にもれた隊員は事故につながる。
- 32 危険空間への進入・退出隊員をチェックする。
- 33 危険域ではペアで行動する。
- 34 危険の兆候を読み取る。
- 35 照明の準備をする。
- 36 工事中の建物への進入は慎重に行う。
- 37 特異現象が発生したときの警戒態勢。
- 38 落下物を排除する。
第6章 活動収束時の行動
- 39 水損を防止する。
- 40 安全を見込んでから現場部隊を縮小する。
- 41 火源の見落としのない残火処理。
- 42 再燃を警戒する。
第2編 耐火造建築物火災の常識
第1章 基本
- 43 一方から攻撃し他方を警戒する。
- 44 警戒線を配備し筒先まで水を送る。
- 45 階段室を確保する。
- 46 火点直近のクリアゾーンに活動拠点を設置する。
- 47 開口部を設定するときの心得。
- 48 空調設備の運転を停止させる。
- 49 厨房室の火災が鎮火状態のとき。
- 50 火点が高所の場合は連結送水管を活用する。
- 51 火点ビル正面に全隊のスペースを確保する。
- 52 資器材の補給場所を設置する。
第2章 情報について
- 53 火災の全容把握を急ぐ。
- 54 情報員(隊)を指定する。
- 55 図面・位置番号を活用する。
- 56 自火報の受信機を確認する。
第3章 状況判断
- 57 火点と現示点の位置が違う時。
- 58 営業中の多数収容ビル火災は要救助者多数。
- 59 マンション火災への対応。
- 60 屋上から噴煙しているとき。
- 61 各階に煙が充満し火点が不明のとき。
第4章 救助及び注水
- 62 まず排熱・排煙の手段をとる。
- 63 検索の重点箇所。
- 64 救助手段。
- 65 雑居ビルには要救助者あり。
- 66 ホースを防護する。
- 67 注水開始を予告する。
第5章 安全管理
- 68 進入隊員に情報を提示する。
- 69 エレベーターの使用は危険を伴う。
- 70 ドアを開けるときは正面に立たない。
- 71 準耐火造建物は熱に弱い。
第3編 木造及び防火造建築物火災の常識
第1章 基本
- 72 周囲建物への延焼を阻止する。
- 73 攻撃(屋内進入)か延焼拡大の阻止か。
- 74 隣棟ビルへの延焼を阻止する。
- 75 隣棟(木造・防火造建物)への延焼を阻止する。
- 76 筒先の分散配備による包囲態勢。
- 77 飛火を警戒する。
第2章 状況判断
- 78 火の先を見る。
- 79 火点が不明のとき。
- 80 住宅が専用か共同かを識別する。
- 81 店舗等の間口の広い建物は崩壊しやすい。
第3章 筒先配備の方法
- 82 筒先部署は風下・背面・両側面を重点とする。
- 83 2階を優先する。
- 84 未着手の位置に部署する。
- 85 進入は左右いずれかの建物に絞る。
- 86 部署の移動は積極的に行う。
- 87 大規模建築物火災における心得。
第4章 注水
- 88 燃焼している実態を直撃する。
- 89 延焼方向に正対し注水深度を深くとる。
- 90 俯瞰注水は効果なし。
第5章 再燃防止
- 91 残り火点検には時間をかける。
- 92 潜在する火源を絶つ。
- 93 外壁を点検する。
第6章 安全確保
- 94 落下物を払い落とす。
- 95 床の落下を警戒する。
- 96 モルタル外壁に亀裂や膨らみが生じたとき。
- 97 軒下の部署は努めて避ける。
- 98 いきなり飛び込まない。
- 99 スレート屋根などには上がらない。
- 100 トタン屋根は早期に排煙処理をする。
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